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播州三木鉋鍛冶三代目
鍛冶銘 鉄心斎芳楽



 山本鉋製作所
使用鋼種一覧



安来 白紙一号鋼 軟木向き

安来鋼の特徴は原料の鉄に現代製鉄法のコークスによる還元方法ではなく、低温の還元雰囲気による製鉄方法で作った鉄を使用しているため有害なリンや硫黄が少ない事です。硬度は高いがタングステンを含んでいないので研ぎやすく薄削りに向く鋼です。
 安来厚板真空溶解白紙一号鋼 軟木向き

白紙一号鋼を真空中で再溶解した鋼です。鋼は炭素量が多くなると、鋼中の炭素が均一に分布せず偏析してしまう事がある。真空中で溶解すると偏析が少なくなり欠け難い鋼になります。この鋼の厚みは6mmで小型のハンマーで何度も鍛錬して2.5mm位の厚みにして鍛接しています。この鋼の炭素量は1.36%あり硬度も一番高。組織を微細にしているので炭素鋼なのに研ぎが少し硬く感じます。
 安来青紙一号 万能型

白紙一号にタングステンとクロムを入れた鋼で、本職用鉋に使われる標準的な鋼で以前はほとんどこの鋼で鉋を作っていました。青紙一号鋼は炭素量1.2%〜1.4%の鋼で山本鉋は1.3%くらいの鋼を使っています。
タングステンなどの特殊元素が入っているので耐磨耗性があり、白紙一号鋼より永切れする鋼です。
 安来厚板青紙一号鋼 万能型

厚さ6mm・炭素量1.37%の高炭素の青紙一号鋼です。小型のハンマーで何度も鍛錬して2.5mm位の厚みにして鍛接しています。
 安来青紙二号 万能型

製造方法は一号鋼と同じですが炭素量が1%〜1.2%でタングステンなどの特殊元素も青紙一号より少ない鋼です。普通は鉋にはあまり使いませんが注文により使う事もあります。鑿で青紙といえばこの鋼です。
 安来青紙スーパー鋼 堅木向き

この鋼は青紙一号よりも高炭素・高タングステンの鋼で東郷レイ号鋼に似た成分の鋼です。他にモリブデンやバナジウムも入っているため可鍛性が悪く鍛接作業が難しい。刃研ぎがし難いが堅木用の鉋に向いています。
 安来CWA鋼 堅木向き

この鋼は旧JIS規格鋼種名でSKS1相当材で現在はこの規格はありません。かなり以前にCWA鋼として製造されたものです。炭素量1.39%・タングステン量4.65%という特殊鋼です。
 特別刃物鋼 万能型

昔は青紙一号鋼ばかりで鉋を作っていましたが、もっと永切れする鋼をという事で三木の鋼屋さんが製鋼会社に作らせた鋼です。青紙一号よりタングステン量が多い鋼で耐磨耗性があります。
ツバメ鋼 堅木向き

この鋼は40年前頃に作られた鋼です。分析値は分かりませんが炭素量はそんなに多くないがタングステンがかなり多いと思われます。鍛接は普通に出来ますが研磨砥石やバフなかかりにくく、刃研ぎの時、刃が付き難い。昔は黒檀削り用の鉋に作っていました。研いだ感じでは一番永切れする鋼だと思いますが、在庫があまり残っていません。 
 安来E3鋼 軟木向き

安来の鋼でJIS規格SK3相当の鋼です。初心者用鉋と押金の鋼として使っています。
 川崎青鋼 万能型

はるか以前川崎製鉄が安来青紙一号と同じ成分で作った鋼です。
 スウェーデン鋼 軟木向き

以前三木でスウェーデン鋼専門の鋼屋さんがありました。そこの鋼で炭素量はわかりませんが1.2%から1.3%位だと思います。スウェーデン鋼全般にいえることですが原料のスウェーデン産の鉄鉱石には鋼に悪影響がある燐が少なく良い鋼になります。研ぎやすく薄削りに向いた鋼です。
 スウェーデン青鋼 万能型

鉋用のスウェーデン鋼といえばは炭素鋼ですが、この鋼は三木のある鍛冶屋が四十数年前にスウェーデンに行って、製鋼会社に安来の青紙一号鋼と同じ様にタングステンの入った鋼を注文し作らせた鋼です。原料に木炭銑を使い燐や硫黄などの有害成分が少ない鋼です。研ぎやすく粘りのある鋼です。
 東郷鋼 堅木向き

東郷鋼とは明治の終わり頃東京の河合洋鋼商店が手術用のメスや金属加工用の鋼として、炭素やタングステンを多く配合した高合金鋼をイギリスやスウェーデンの製鋼会社に依頼して作らせた鋼です。
鉋に使われるのは東郷レイ号という鋼で高炭素・高タングステン鋼のため鍛接が難しく鍛接温度でも可鍛性が悪い。少し研ぎがし難いが永切れする鋼です。
 犬首鋼 堅木向き

河合洋鋼商店が売っていた東郷レイ号鋼に似た鋼ですが東郷レイ号より鋼の可鍛性が悪く焼き入れ性も悪い。
研ぎはそんなに堅く感じませんが永切れする鋼です。




 




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