鍛冶屋のつれづれ書きへ

丹生山旧高泉寺道

        旧高泉寺道というのは今の神戸市北区淡河勝雄にあった高泉寺を通り丹生山明要寺へ続く道の事です。 

 

私は山歩きが趣味で休みになると山へ行っています。中でも丹生山は近くなので、休みの日半日他の予定に取られると丹生山系の山へ
  登りに行きます。平成20年に三木市立図書館で丹生山古道之図という地図を見つけました。岩谷峠から西はほとんど歩いているので
  分かりますが、淡河町から登る高泉寺道というのが分からない。それでその年の夏から探しに行きました。

丹生山古道之図では旧高泉寺道は今の淡河町勝雄の永春寺から、南の鷹尾山を通って丹生山裏参道のくるし坂のタワのすぐ東へ通じている。

その合流地には古い道標があり右淡河下村とあります。多分勝雄は下村という地名だったのだろう。

 

まず8月24日に永春寺横の林道から登りました。谷に途中まで道はありましたが登るほどに無くなり、尾根に上がると踏み分け道があり
  鷹尾山に登りました。その先東西に伸びる尾根のピークの間の鞍部に上がりました。そこからどこへも道はなく地形図に載っている東の
  ピークへの道を探しました。ブッシュの尾根を登りピークから見ると、東へ道はあるかと思いましたが道はなく引き返しました。
  下る時枯れ木にズボンを引っ掛け裂けてしまいました。夏の木の葉の茂っている時は道も分かり難いと思い冬に行く事にしました。

    

          鷹尾山                          鷹雄山下の展望地より北の山々


   次の時は12月7日に、この前に行けなかった尾根の東から登ろうと淡河町淡河から林道を登り西へ尾根を行きました。しかし道は尾根へ
  行かず斜面をトラバースして南の谷へ下りそして一つ南の尾根へ上がりました。やはり地形図に載っているピークの道はない様だ。ここには
  関電の鉄塔巡視路があり西へ行くと古道之図にある高泉寺道のあるピークに行けます。

そのピークの南の尾根から道を探しました。探しまわって道がありました。道というより人が歩ける空間が続いているという感じだ。
  そのままピークに上がり下ると鷹尾山からの鞍部に下りました。

ここは下からは登り口は分からないな。鞍部から南の谷へ下りるとすぐに登った道があり元の林道へ引き返しました。

 

12月21日永春寺横の林道から古道之図に載っているルートを歩こうと鷹尾山から南の鞍部へ行きました。そして西の尾根への入り口を
  探すと12月3日に下りてきた時折った枝がありそこから登ります。林の分かり難い所をピークへ、下りは尾根から少し南に道があり下りると
  鞍部で巡視路と合流する。これで古道之図に載っている道は分かりました。
   この時不動滝まで歩こうともう一つピークを越えた鞍部で北へ下りる道を見つけました。少し下りました道は雨水で荒れていて道か水路か
  分からなくなり戻りました。古い道跡の感じがしました。この後シビレ山から不動滝へ下りてから、勝雄の集落で
  高泉寺の事を聞くと大体の位置が分かりました。

 

平成21年1月3日旧高泉寺と高泉寺道を探しに行きました。永春寺横林道のある谷より西の谷を上がります。雑木林に広い山道があり
  枯葉の緩やかな上りが続き、谷を登りつめた所に旧高泉寺跡がありました。広い山頂部は疎林に枯葉の海の様で歩くと靴はかなり沈みます。
  その北の方に五輪塔がありその周りの墓石らしきものが散乱しているが、人が来ている感じはありません。

 ここから登って来た道を隔てた南にピークがあり、その山頂に高泉寺跡があるのかと思ったが、美嚢郡誌には山腹にあると書いてあるので
  五輪塔のある所が高泉寺跡に間違いないだろう。

美嚢郡誌によると、淡河下村本坂にあり四ケ院を包括する名刹だったが、享保七年に出火し一院のみ残存したが漸次荒廃し無住職となる。

その後明治九年檀家ならびに残った薬師堂を同麓にある永春寺に移して廃寺となった。また丹生山古道之図には平家祈祷所と書かれているので
  平清盛によって建てられたお寺かもしれない。

  

    

       高泉寺跡                         高泉寺道にある古い道標

  
   枯葉の道は寺跡南のピークの西をトラバースして行き歩いて行くと大きな谷につき当たる。不動滝から上がって来た谷で左の方には鉄塔2本が
  見える。そこは小さな広場の感じで松の木の根元には祠跡がある。道はここから狭くなり鉄塔の方へ斜面をトラバースする分かり難い道になる。
  林に入ると明解な道になりかなり行くと斜面の上りになる。雨水の流れる所と道の混じる溝を登って行くと左丹生山道の古い道標がある。
   登って行くと12月21日に下った道で登ると巡視路に上がりました。やはりここが高泉寺道だったのだ。高泉寺道を見つけるという
  一つの目的を達しました。ここから初めて下るのは分かり難いと思います。雨水の流れが谷へまた谷へ落ちているので、そこを行かず山の斜面へ
  斜面へトラバース道を探すと明解な道になります。 この後高泉寺道も巡視路もほぼ同じルートだったと思います。
  そして一つ尾根を越えると右淡河下村と標示された、古い道標の建つ丹生山裏参道に合流します。

         
              高泉寺道のルート